Storyストーリー

1431年。フランス国王・シャルル7世のもとに、ある乙女の最期を見届けた兵士が報告に訪れる。乙女の名はジャンヌ・ダルク。わずか13才で神の啓示を受けたという彼女は、イングランド軍との戦争で窮地に陥ったフランス軍を鼓舞し勝利をもたらすが、やがて捕えられ、異端者として火刑に処されたのだった。
遡ること3年。故郷ドムレミ村でイングランド兵の襲撃に遭ったジャンヌは、“神の声”に導かれるように敵に立ち向かい、難を逃れる。傭兵レイモンとケヴィンの助けも得た彼女は、これを機に「フランスを救え、フランス国王を救え」と繰り返し語りかける神の声に従い、王太子・シャルルとの謁見を求めて行動を開始する。

1429年。シャルルとの謁見を果たしたジャンヌは、自ら甲冑を身に着け戦に身を投じると、イギリス軍の砦となっていたオルレアンを奪還。彼女の存在と活躍はシャルルを勇気づけ、正式な戴冠式を行う後押しともなった。ランス大聖堂で行われたシャルルの戴冠式にも列席したジャンヌ。だが、振り返ればこの時が、彼女の生涯の頂点でもあった——。

神の声が、ジャンヌにもたらしたものは何か。命を繋ぐ機会を与えられながらも、死を受け入れる道を選んだのはなぜか。ジャンヌ・ダルクの知られざる「生」のありようが、今、紐解かれる——